保証契約において、保証人と連帯保証人はどちらも「他人の債務を保証する役割」を担いますが、その責任の範囲や対応の違いについて理解しておくことが大切です。ここでは、両者の違いについて詳しく解説し、契約における注意点も併せてご紹介します。

保証人の役割

保証人は、債務者(賃貸物件であれば借りている人、就職であれば働いている人。以後「債務者」とのみ表記する。)が契約上の義務を果たせなかった場合に、その債務を補填する義務を負います。しかし、保証人が責任を負うのは、債務者がまず自分の職務を果たさなかったときのみです。つまり、保証人の責任は「債務者が返済できなかった場合」に限定されます。

特徴

  • 担保の形で借り手をサポート。
  • 債務者が返済しない場合に限り責任を負う。
  • 強制的に支払う義務は債務者の義務が果たされてから。

 

連帯保証人の役割

連帯保証人は、債務者と同じ立場で債務を共同で負う存在です。つまり、債務者が返済しなかった場合、債権者は直接連帯保証人に対しても請求を行うことができます。連帯保証人は債務者の行動に依存せず、即座に支払い義務を果たさなければならないため、その責任は保証人よりも重いと言えます。

特徴

  • 債務者と同様に責任を負う。
  • 債務者が返済しない場合、即座に支払い請求が可能。
  • 債務者の行動にかかわらず責任が発生する。

 

まとめ

【保証人】責任は債務者が債務を履行しない場合にのみ発生し、補助的な役割を果たす。

【連帯保証人】債務者と同じ責任を持ち、債務者の行動に関わらずすぐに請求が可能。

 

項目 保証人 連帯保証人
責任範囲 債務者が支払えない場合のみ 債務者と同等の責任
催告の抗弁権 あり なし
検索の抗弁権 あり なし
直接請求の可否 できない できる

 

このように、保証人と連帯保証人は似ているようで異なる役割を持っているため、それぞれの責任の範囲や取り扱いについて理解しておくことが重要です。特に、連帯保証人になる場合は、その重い責任をよく考えた上で選択することが求められます。